 中医学独特の診断方法に「舌診(ぜっしん)」があります。中医学では、舌は経絡によって、内臓と結びついいると考えられており、舌の状態によって、各臓器の健康状態を知る手がかりを得ることができます。舌を診るときは、色、形、苔などいくつかのポイントがあります。
ピンク色が健康な舌の色です。薄く白っぽい舌は、貧血や冷え症(血虚、陽虚)の人によく見られます。逆に、濃い赤の舌は、体内に熱がこもっていることを示し、赤いニキビができる人、生理の色が真っ赤で量が多い人などに、多く見られます(実熱タイプ)。また同じ赤い舌でも、苔が殆どない人は、虚熱タイプで、体を潤して、冷ます力が衰えているために、相対的に熱っぽくなっています。更年期で、のぼせやほてりがある人によく見られます。
舌全体に薄く白い苔がついていて、舌の色が透けて見えるのが健康な苔の状態です。白い苔が厚くはり付いている人は、代謝が悪く、水分が溜まっている人に多く見られます。過剰な水分は、眩暈や頭重感の原因にもなります。苔が黄色い人は湿熱タイプで、体内に滞った水分が熱を持っている状態です。暴飲暴食が続いている人、脂っぽい食事が多い人に良く見られ、不眠や悪夢を良く見るなど睡眠に影響が出ることもあります。
このように、舌の状態は、体の状態によって変わってきます。ときどき、舌の状態をチェックして、健康管理に役立てましょう
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